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第14回中高生1000字小説バトル Entry4

私の抵抗

「何で盗んだの?」

わたしは吃驚していた。
「万引き」というモノはこんないとも簡単に見つかってしまうモノなのだな、と改めて感じたのだからだ。

私は万引きをした。
商品は今持ってるお金で十分手にはいるはずの「コンビニコスメ」だった。
日頃、メイクをする訳でもないのに何故か盗んでしまった。本当に盗んだ理由が私にも分からなかったがそれを店員に見られて警察に連れて行かれたのだった。

私は婦警の質問を受けた。
初めは名前、生年月日、年齢、学校名を聞かれた。そして本題に入っていった。

私は始め、しらを切ってやろうかと考えた。
「やっていない」と言ってやろうかと思った。
しかしそれは発見者がいる限り通用しない事に後から気が付いた。防犯カメラにもはっきりと写っているのだろう。警察を呼ばれる時に店員が言っていたからきっとそうに違いない。

そしてもっとよく考えたら「万引きをした」という罪悪感が無い事に気が付いた。
「万引きをした事への言い訳を考えている」事に気が付いた。
ああ、何だろう。
そしたら急に不安になってきた。
こんな事しか考えられない自分が怖くなってきた。
盗みを犯した意味も分からず、ただ不安が埋め尽くす。
クリーム色の壁が敷き詰められ、濃い青色の服に身をまとって優しく問いかける婦警さえも敵に思えてきてヒステリックに何か叫びそうになった。

あれ?ホントに私は何やっているんだろう。
なんで盗んだんだろう。
なんでこんな事してしまったんだろう。
不安と恐怖と違和感が私を支配していく。

私が真っ青な顔をしていると婦警はそっと言った。

「これは貴方の抵抗だったんじゃないの?」と。

意外な発言に溜まっていたモノが出ていく事に私は初めは気が付かなかった。

私は泣いていた。

そう・・・だったのかもしれない。
最近上手くいっていなかった家族関係。母親と喧嘩していたんだ。
喧嘩の理由は母親の再婚にあった。離婚した時はすんなりオッケイ出来た私は何故か「再婚」と言う言葉を聞いたらイキなり怒り出してしまっていた。
それから母親とは口もロクにきいていなかったんだっけ?
これって只単に、あたしが母親を再婚相手に「取られる」事への嫉妬だったんじゃないかな?私の抵抗だったんじゃないかな。母親に対する自分なりの「抵抗」だったんじゃないか。ただ、強がっていただけだったんだ。

頭を整理して考えてみたら何故か分からない事まで分かるようになっていった。

多分、はっきりとは言えないが私が万引きをしたのも母親に対する「抵抗」の一つだったんじゃないかな?と思うようになっていった。
なんだ・・・そうだったんだぁ・・・。
何故か今さっきまでの不安達はいっせいに消えていった。

カツンっカツンっカツンっ

廊下に響くハイヒールの音。
婦警はフッと笑って「答えは出た?しっかり相手に気持ちを伝えるのよ」と言って母親を呼んだのだった。

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