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第19回中高生1000字小説バトル Entry8

いつかは来るトキ。

 彼に会うたび私は怯える。

 彼とつきあいだして3ヶ月、私は彼に抱かれた。
 二人の愛の形を確かめるように。
 二人が作り上げてきた絆を形にするかのように。
 彼は私を優しく抱いた。
 私は彼にすべてをゆだねた。
 彼に抱かれて私は幸せだった。
 それから私は何度も彼に抱かれた。
 ことあるごとに彼は私を抱いた。
 私は彼を愛していた。
 彼のぬくもりに抱かれて眠ると、信じられないくらい心が安らいだ。
 彼の耳の形が大好きになった。
 次の日が休みの夜には、何時まででも彼と語り合った。
 ベッドの中で。
 本当に何度も何度も二人は抱き合った。

 いつしかそれが当たり前になっていた。
 二人が会うと、それ以外にすることがなくなっていた。
 それでも、私は幸せだと思っていたし、彼も私を優しく抱いてくれた。

 ある日、突然、私はそれに気づいた。
 違う、前から気づいていたのに気づかない振りをしていただけ。
 それでも、それに改めて気づいて私は急に怖くなった。
 彼がそれに気づくことが。
 彼がそれをいつ言い出すかと思うたびに、私は怖くなった。
 もし、二人が抱き合うことに疲れてしまったとき、飽きてしまったとき
 二人はどうして愛を感じるのだろう。
 二人はどうやって絆を形作るのだろう。
 私は絶望した。
 もう、抱かれる前のようなキスができない自分に。
 もう、抱かれる前のように話すことができない自分に。
 もう、抱かれる前とは変わってしまった二人に。。。

 そう、私はこれ以上の愛の形を知らない。
 抱き合う以上に愛を感じる方法を知らない。
 抱き合うほかに二人をつなぎとめるやりかたを知らない。

 もし、彼が今の愛では満足しなくなったら?
 もし、彼が今の二人以上の関係を望んだら?
 私はどうして愛をしめせばいいのだろう?
 私はどうして彼の気持ちにこたえればいいのだろう?

 彼に会うたび私は怯える。

 いつかは来る、そのトキに。。。

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