■ヒートアイランド
- この作品で決まり! なのであるが、なんで「ヒートアイランド」なのか説明できない、ので、全体への感想を交えつつ、つらつらと書いてみることにする。
ヨケさん「きれきれて」という言葉が、ヨケさんにとって重要なモチーフになっているのだろう。けれども、<君は最高の夢を見るんだ>と切り出されたところで「はン?」と思ってしまった。どうかな、イマジネーションが巨大になるのはいいが、不要な部分をそぎ落とす努力を怠った感あり。 葉月さん「ヒートアイランド」。この季節にこのネタ、なのであるが、水への渇望が、逆に滴り落ちる水の様相だったり、アゲハチョウが乾いた空気の切っ先だったり、そのメリハリ、いわば体感的な心地よさとして、非常に好きなのである。いや、こういう形式美は、大歓迎。ただ、このタイトルはどうなんだ、もちっと、なんか、いいのは。うーむ。 拙作は……必死。 yupoさんは、これ、CoCの小説編でもそうだけれども、やっぱり女性だな、と思う点は、たしかにある。一人部屋にいて、無駄撃ちしないように、というのもちと首を捻るし、この男が、小学校の作文まがいのモノを書く、とはやっぱり考えにくいのである。この辺、黒い炭酸水とのリンクもあろうが、やはり、残念ながら、yupoさんの萌えツボでしかないように思う。もっと云ってしまえば、モチーフとして、同性愛者である必要は、決してないんですな。 小説とリンクさせたいという気持ちが働いてしまって、コアから離れてしまった、感じ。 大覚さん「Come on!」は、金曜の夜の終電で、「Come on!」もねえだろう、という単純な理由。けっこういい気分=Come on! につながるかというと、うーん。これは、感覚の差でしょうなぁ。
というわけで、結構な差をつけて、葉月さんに一票。(M)
- 自らの喉を潤す、詩を書きたいと思いました。
- 絶対これ。七百馬身差でこれ。これ意外にはありえない。
いやあ、絶対これ、というのがある時は最高の気分ですねえ。
- 「きれきれて」は、ついていくので一苦労。
「ヒートアイランド」はリズムの緩急が心地よかった。
- 均質なのにバラバラな、見た目の気持ち悪さがまずよかった。こちら側とあちら側に分断された自我の退廃と耽美がねっとりとからみつく。とても官能的、そして美しい。
- 一番素直に心に溶け込みました。途中からは結構泣けました。
「飼い馴らさ れ た 水」という部分に非凡なものを感じました。 いい作品でした。ひとつだけ、タイトルの「ヒートアイランド」というのは ちょっとあまりにもイメージが違いました。もちろん理屈のような部分では正しいのかもしれませんが、僕がいいと思える部分がこのタイトルは表現できていないと思いました。
■後藤を待ちながら
- うーん・・・。
あんまりこんなことは言いたかぁないんだが、 今回、詩部門はどれもいまひとつだな、という印象。 自分の作品もさっぱりパッとしないので、 偉そうなことは言えた義理じゃあないが。 それはさておき、ながしろばんり氏の作品には、 「やかん」もしくは「薬缶」が結構登場するように思うのだが、 なにか特別な思い入れがあるのだろうか。
- ながしろばんりさんには珍しく(失礼?)素直な詩だと思いました。
難解なのもいいのですが、現在、気持ちがちょっと弱っておりますので (私事ではありますが)こういう詩を読むと、ホッとします。 なので、ながしろさんに一票。
- この辺かなー。
読むのに一番抵抗なかったし。 でも、後藤は後藤さんであって、後藤ではないんだよなー、本当言うと。 まあいいかなー。えーやなー。
- なぜか追い立てられるように、切ない気分にさせられました。
■Come on !<
- 今回迷いました。悩んだのでは無くこれと言って決め手に欠けると言うか。。。当然名人戦だけあって簡単に読み飛ばしてしまったり、読み進めるのが困難な、違った意味合いで悩ましい作品は一篇たりとも無かったのですが、鮮烈に心を打つ作品が正直言ってなかったからです。今回欠場の狭宮良さんと棗樹さんの御両名が参加なさっていたら、そのどちらかから第三代目CoCが誕生されたのではと、思いを巡らせていましました。
それぞれの詩を読ませて頂き感じた事を傍若無人に述べたいと思います。チャンピオン戦なので辛口になる事を最初にお詫びいたします。
> Entry1 ヨケマキルさん > きれきれて
今回はヨケさんの持ち味のモチーフやイメージの出所の古さが悪い方向に作用してしまっているように思われる。「言葉を用いてこの世界観を表現したい」「この試みを具現化したい」という作者の意向は、端的にかなり狙い通りに表現されているように見受けられるし、品質は高いと思う。でも申し訳ないが、それだけ。この作家じゃなくても、書ける詩に思えてしまう。こう言う作風はどこにでもあるから、その流れ中で使われるイメージの羅列だけでは物足りない。ヨケさんは言葉に対する執着心や細やかさでは群を抜いていしる、日本語スキルの高い方だと思うので、大きなお世話ながら「それっぽい詩人」で止まって欲しくない。「っぽい詩」を脱して、ヨケさんが書く以外に意味がない詩を読ませて頂けるのを、今後期待しています。この方の詩に関してコメントを述べようとするとどうもいつも長くなってしまう傾向にある。善くも悪くももどかしくなる自分がいる。
> Entry2 葉月みかさん > ヒートアイランド まず思ったのは「これは新作なのだろうか?」という事。別に新作を出して来なくても構わないけど、作者の熱が抜けてしまった詩のように感じてしまった。書かれている内容の切迫感程の「気合い」や「殺気」が感じられない。 この寒い季節に敢えて「ヒート」をぶつけてきた詩にしては「灼熱感」が足りない。迷って悩んでフラフラ飛んでいる蝶に、そのどっちつかず感を託したと言うのならば、作者の狙い通りなのかも知れないが、中途半端。頭の中で書かれた詩を脱していない。本来の持ち味や技量の半分も出ていないように見受けられた。葉月さん、あなたは本当に力のある詩人なんだから。今後、すごく期待してます。
> Entry3 ながしろばんりさん > 後藤を待ちながら 何度も(もちろんキーボード上で)消しゴムをかけ、消しては書き、書いては消し、した片鱗や消し跡、ごりごり強い筆圧の鉛筆線の残り等が見えるようで、本来は小説書きでいらっしゃるながしろさんの詩が今回、苦心の跡が見える分、一番温度が見えて面白かった。檸檬さんが掲示板の感想で、佐藤さんの詩に少し似ていると書いてらっしゃったが、彼方は「後藤じゃないよ ゴドーだよ」と後藤を否定していたので、ながしろさんが後藤を肯定して下さってよかったな、等と、後藤の身になって変な感想を持ってみる(笑)目には見えないけれど送電線からは体に悪い電波が夥しく放出されていて、後藤さんと僕との距離を永遠に縮めてはくれない。そんな悪い夢みたいな詩に思えた。面白かった。ながしろさんは次は小説でCoCでしょう。そちらの方があきらかに力がおありだ。
> Entry4 佐藤yuupopicさん > トランジッション 善くも悪くも佐藤さんの持ち味の「隙間感」が存分に現れた詩だと思う。この作者の詩は本作に関わらずトランジッションし続けて、常に移り変わり行く事がテーマに見受けられるが、時には立ち止まってみたいと思う事はないのだろうか?思いはすれどそう出来ない何か理由があるのだろうか?そして時々この作者の詩の持つセンチメンタリズムにうんざりさせられる。吐きそうになる。今回もそう。「そんな風に生きてて苦しくはないのだろうか?」等と余計な事を思ってみる。大きなお世話か。この詩を読んで感じたのはただそれだけ。これからも頑張って下さい。
> Entry4 大覚アキラさん > Come on ! > 今回の名人戦に、現在常設に出されている「結晶」ではなく本詩を出される辺りに、私が普段大覚さんを面白いと思う秘密が隠されているように思われる。「結晶」を出されていたらなんら迷う事なく、即座に大覚さんに投票させて頂いただろう。(しかし常設ではチャンプにならないかもしれない。あのバトルには魔物が棲んでいるので結果は読めない)以前自信満々バトル(でタイトルよかったでしょうか?)に高校生の時の詩を出された事がおありだが、本詩からはそれらと似た匂いを感じた。荒い。物足りなさがある。近作の大覚作品の研ぎ澄まされたものにはない、リズム感とイメージの緩慢さ。でも、その中に有無を言わせぬ颯爽感や、目映いものがある。この正体はなんだろう。高校生だった大覚さんには書けない、十代特有の尖った勢いと引替えに手に入れた、日常のあらゆる困難をねじ伏せるだけの生きる「技」、力のようなものか。こう言う詩を読むと「年月を重ねる」という事は、とても格好いい事なのではないかと言う気になる。やっぱ底力おありですね。
と言う訳で、筆跡の面白さならながしろさん、言葉の選び方や世界観の好みとすれば大覚さんの詩なのだが、今回は好みを取って大覚さん「Come on !」を推薦作に、ながしろさんの「後藤を待ちながら」を次点とさせて頂きます。
皆様力がおありの事を前提にすればこそ色々書かせて頂きましたが、これからのますますの活躍に期待しつつ筆をおかせて頂きます。ありがとうございました。
- 私が詩に求めているのは、刹那の感情のひらめき、です。
決して物語では表現しきれない、切り取られた一瞬です。
物語的な、時間と空間の移動のあるような詩も好きだけれど、 やはり私は、心象を見事に一枚の写真にしたような詩に ハッとさせられてしまうし、それがバトルであるならば、 そのような詩を選ばざるを得ないのです。
今回のエントリーでは、 「ヒートアイランド」と「Come on !」が 刹那の感情を描いているように思えました。 このうち、より内容に共感できた、というより、 ああ自分もこういう感情を持つことがある、と気づかされた 「Come on !」に、票を投じたいと思います。
- 身体は泥水が染みこんだスポンジみたいに」
うわー、良い。この表現。 こっそり真似しよ。
そんな訳で一票です。
- ううむ、自分のことのように受け止められました。
■トランジッション
- 最後の最後まで、ヨケマキルさんの「きれきれて」と、佐藤さんの「トランジッション」とで、迷う、迷う、迷う……
で、最終的に「トランジッション」に、決めました。
決め手は、なんだろう、いとおしさ、かなあ。
「きれきれて」も、本当に好きな感じなんだけどね。 なんとなく、いろいろと寒い毎日だから、 あたたかさがほしいのかな、やっぱり。
でも、さすが、チャンピオン獲得した方の作品だけあって、 どれも読み応えがありました。
- 全作品のなかではこの作品がよかった。
比較的長い詩だけど、滞りなく読めたし、情景も浮かんだ。 そしてなにより、タイトルが効いている。
- 構成や言葉の扱い方で最も衝撃を受けたのは、ヨケマキルさんの「きれきれて」でした。読んでいて、映画館にいるみたいで。映写機のカタカタいう音が後ろから聞こえてくるような。めくるめく移ろう狂気になぜか感じるリアリティ。凄い詩。
でも悩んだ結果「トランジッション」に投票します。読後、あまりにも、とてつもなく、幸せな気持ちになれたから。これだけ真っ直ぐに読者を感動させられるのは、作者が、伝えたい思いを余分な装飾なしに適切に的確に言葉を選んで表現できているから、だと思うのです。これもやはり、凄い詩。
■きれきれて
- なにがなんだか、わからんけど、こういうのを書いている時の
「イナズマな感じ」は俺も身に覚えがある。そこに共感した。
(アナトー)
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