第2回高校生1000字小説バトル結果
作品受け付け12月10日〜1月31日
作品発表と感想票受け付け2月1日〜2月28日
投票結果発表3月10日
第2回学生(高校生の部)1000字小説チャンピオンは
彩さん作
『物怪と女』に決定しました!!
彩さん、おめでとう。
心より感動の拍手を贈ります。
●物怪と女(彩)
- 『価値観』とどちらにしようか悩みましたが、こちらの方が好みだったのでこちらにしました。
- 雰囲気が出てて良かったと思う。
- 作品の方は甲乙付けがたかったけど、作家に将来性を感じた。
- 最初に読んだときにまず、すごい! と言うことを思いました。文章の端端にある良い意味での重さが、浮くことなくうまく作用していると思います。ラストも、完全に終わっていないことで、自分なりの結末を想像できるのも良いと思います。
- 淡々と進む会話が臭くなくて妙に説得力がありました。
●卵の中の罠(アタモ ミリヲ)
- 発想が面白いです。不思議な話に僕とお母さんの話方がよくマッチしてると思います。作者のペンネームまでが話の世界を作ってる気がしました。ただ題にある「罠」がわかりませんでした。
その他の作品の感想
『新しい世界へ』トト♂さん作
哲也の言いくるめていく論法は迫力があってよいです。ただいくつか気になる点があります。ラストで「哲也の悪意が感じられた」とありますが、いまいち私には感じられませんでした。それから「体の中から異物が感じられる」というのがよくわかりません。どうして突然異物感なのか。哲也がなにかしたと言う事でしょうか。そうならもう少しはっきりと書いたほうがよいと思います。
『箱』青葉大地さん作
主人公の心の変化の過程がちょっとわかりづらいです。言わんとしている事はわかるのですが…。最初にずっと好きでいようと思ったことと、最後に好きは消せないと思ったことの違いがあまりわからなかったです。
『夏鳥幻想譚』佐伯維端さん作
夏のさわやかな雰囲気がとてもいいです。ただ肝心の約束がわかりづらいかなと思いました。あと「そうすれば私が信じると思ったのだろうか」の部分ですが、なにを信じるのか前後の文からはわかりません。「ぴーこちゃん」の死を信じるという意味ならそう書くべきです。でも言葉の選び方、とくに「ブランクの彼方」という表現はとても好きです。
『価値観』どんぐりさん作
主人公の気持ちの変化が自然に表現されていたんではないかなーと思います。電話越しの二人の会話のさりげなさがいいです。少し気になったところは、主人公が「喉まで出かかったところで必死に止めた」こと。主人公が雪に嫌気をさしてる事を言いたかったのだと思いますが、この表現だと主人公がどうしても自分の故郷を言いたくなさそうです。もうひとつは、主人公が雪嫌いになった理由をもう少し書いてあったほうがよかったかなと思います。
『涙』SO-SUKEさん作
涙で唯が見えなくなってしまうという事が、実際に彼女を失ってしまった事を表していていいと思います。でも別れた理由を「些細なことだった」とはっきり意識してるのに、思い出せないというのはおかしいと思います。些細なことという印象だけが残っているってことでしょうか。
『物怪と女』彩さん作
随身、烏帽子、袿などのアイテムがうまく雰囲気を作っていると思います。状況や物怪、女はよく描かれていますが、男の描写をもうちょっとしてほしかったです。そうすれば女の男に対する気持ちがもっとはっきり伝わったかと思います。あと「……同じことぞ。妾とて、な」の意味がわかりません。なにを同じと言っているのでしょう。
いろいろ書きましたが、人の作品の感想などめったに書いた事ないので、言葉の足りない部分もあったかと思います。全体的に年齢を感じさせないレベルの高さだと思いました。と言いつつ自分も学生だったりしますが。これからも各々がんばってください。
- この童話調とでも名付けたいのんびりとしたテンポの会話で構成されたナンセンス話は、面白すぎて癖になると思いました。「理不尽も残酷も追い越して、無邪気パワー全開!!」という感じです。
- おかしな話がその語り口とともに、メルヘンともホラーともとれ、非常に面白かった。
- 私の中では、『物怪と女』と『卵のなかの罠』の2作品が最終的に残りました。『物怪…』の方は作者がおっしゃっていた通り、元の話と比べてしまうと、残念ながら推敲不足でしょう。投稿作品だけから判断すると、登場人物(物怪を含めて)の描写が少なくて、話全体に不安(関連性の不足)が残ってしまいました。その点、『卵…』の方は、短い作品ではありますが、不思議な雰囲気が出ていて、良かったです。
●価値観(どんぐり)
- 読んでいて楽しい感じになりました。物語中の女の子、佐賀さんが明るくていい感じです。読んだ印象としてきれいな印象が残りました。雪のことなのですが、主人公の雪嫌いのイメージが少し弱いような気がします。主人公の考えが180度変わったような印象を付けられればなおベター。次の作品もがんばってください。
- 叙述が素直でしっかりしていると思いました。テーマもはっきりしていて、それが嫌味なく伝わってきたと思います。流れもスムーズで説明の仕方もスマート、会話と描写で語ることができていると思いました。ただ、タイトルはもっと素直なつけ方がいいと思います。読者の想像力を奪うタイトルだと思いますので。全参加作品それぞれ個性的な作品がそろっていて、内容で見ると甲乙つけがたいと思ったのですが、基本的に最も「小説らしい」と思われるものを選びました。あと、参加作品全体として誤字が少し目立つような気がしました。今のうちからチェックするくせをつけた方がいいと思います。いろんな意味で。
- 再読して改めて、しっかりとした構成だなと実感。何気なさがいいと思います。
●新しい世界へ(トト♂)
- 死が人間の進化という概念に興味が持てた。哲也と慧の関係がもっと表現できていれば、小説としてもっと面白くなったと思う。
●箱(青葉大地)
- 初恋何だろうか? 何となくわかるような気がします。でも、箱という言葉の使い方が中途半端なような気がする。箱を中心にもっと話を作ってもよかったのでないか。
●夏鳥幻想譚(佐伯維端)
- ビジュアル色の濃い短い印象の連続が、なんだか小説というより絵コンテを読んでいるような気分にもさせるのですが、イメージは鮮やかに伝わっていると感じました。とにかく読者を世界に引き込んでしまえば、それで良いのだと思います。
●涙(SO-SUKE)
- 全体としてはまだまだ頑張って心情を表現して欲しいと思いますが、この作品の最後の一行、私的にみて一番印象に残りました。『誰も見えない。誰もいない。僕は独りだった』っていうところ。彼女と別れたあとで想う独白の文として、タイトルの『涙』以上にぐさっとくる一言だと思います、とても好きです。

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