第10回1000字小説バトル結果
作品受け付け/11月9日〜11月30日迄(終了)
作品発表/12月1日〜
人気投票受け付け/12月3日〜29日迄(終了)
結果発表/12月30日
第10回1000字バトルチャンピオン
越冬こあらさん作『回帰』に決定です。
越冬こあらさん、おめでとうございます!!
感想票
●回帰(越冬こあら)
- 呑み込んだ私と呑み込まれた私の、やりとりと、その方法が何ともいえず可笑しかった。こんな作品なら、越冬こあらさんも書きながら楽しかったんじゃないかなあと推測。他には『進化の果てに』(羽那沖権八さん作)と『冬将軍の到来』(日向光陰さん作)も面白かったです。
- 『独り言』(百内亜津治さん作)は冒頭、童謡っぽくて首を傾げた。だが、へのへのもへじが何者かわかったときショートショートになり得るのではないかと思ったが、強く押せない。『回帰』(越冬こあらさん作)は中島らもの作風に似ているように思ったが、力量を感じだ。シュールな作品は失敗することが多いから。こういう作品に理屈を求めてはいけない。
- 悪いところが見つからない。一番の完成度。
- 発想がすばらしいです。あまり深いこと考えずに読んだのですが、楽しめました。
- 冒頭から読む気にさせられるような意外な展開でした。話の流れも無駄がなくて、また意味深く感じられました。雰囲気があった。ところで、今回は全体的に暗い感じの話が多かった気がします。冬だからでしょうか。
- 人間の切なさが伝わってくる。
●独り言(百内亜津治)
- 私は、この百内氏の、鮮烈な作品を推してみたいと思う。それは、この作品の手法だけではなく、細部にまで施された工夫と、充実した表現内容によるのである。
- なかなか着想がユニークで、個人的には面白いと思った。
- 一応全部読んでみたけれど、一番『独り言』が良かったと思う。発想や独創性などで、他の作品を突き放していると思った。
- この作品は、その特異性において際立った存在だと思います
- 明朗闊達な表現における極めてまれにしか見ることのできない作品だ。
●微妙な関係・リバランス(小沢 純)
- 素敵です! 豊かな内容が1000字に濃縮されていて。男友達との無口な旅もいいなぁ……。日常のワンカットのようで、先の展開を予測したくなります。
- どこか中性的な感情の捉らえかたが好き。男性からの視点なのに、柔らかく簡潔な文章。文の丁寧な流れが、ドラマをみているみたいに鮮明に読む者をひきこんで頭の中へ風景がはいってくるのです。この中でだんとつ、力を感じました。
- 始めの方に出てくる「アイコの心を覗き込むように見つめる」ってところは、アイコが唐突に出てきて、相関関係がわからない。ここさえすっきりさせてくれたら、好きな作品です。
- 読んだ後、サッパリ&スッキリ! それでいて、登場人物の感情が伝わり、読みやすく、続きが気になるなぁ……。
●桃(一之江)
- 目を引かれた作品は『六畳間の力学』『EIGHT DAYS WEEK』『ヒーロー』『風呂場の死体』『赤鼻のトナカイ』『時計蒐集家』と、多々ありましたが、アイデア、文章力共に群を抜いていた『桃』に一票です。いや、笑いました『桃』。「よりによって桃と夫が」うーん。何というか、桃の持つ艶めかしいイメージが絶妙に出て、浮気相手という説得力に満ちています。ひょっとしたら、作者の一之江さんは愛人の暗喩として桃を使ったのかも知れませんが、文字通りに取ってその浮気の光景を想像すると実に面白いです。桃と夫の運命的出会い、愛の語らいをする桃と夫、連れ込み宿で羞じらいつつも大胆な桃に少し戸惑う夫、結局棄てられ桃の後ろ姿を呆然と見送る夫。どわはははは。最高です。
- 今回は『桃』でしょう。決まりです。決めましょう。あらためて一之江さんという作家の奥深さを知りました。芸が多彩です。しっかりとした文章芸が確立してるからこそ、こういう文体でも浮ついたところが、読んでいてそわそわすることがないのですね。芸人は舞台で汗を見せてはいけない、ということなんでしょうか。うぶでダサくて大胆な『桃』というのはぜひとも食べてみたくなります。『うふ』で決まりです。決めましょう。
- 果たして桃は果物か小娘か。謎が謎のまま終わって本当によかった。
その他の作品に関する感想。
その3 『六畳間の力学』(大森 柔さん作)流行や隣人に対する皮肉と風刺が主題なのか、ただのお笑いなのか、どっち付かずな感じが残った。
その12『1/8計画』(TAKUTOさん作)ストーリーは面白いが、各場面のバランスが悪い。
その23『ヒーロー』(川島圭さん作)非凡なスタートと展開に期待したが、サングラスとスーパー牛の登場で非凡さが失われ、満足のいかない結末となった。
その26『進化の果てに』(羽那沖権八さん作)着想は非常に面白いと思ったが、女子高生を登場させる必要はないと思った。
その31『公園デビュー』(鮭二さん作)「ひな子」に「延子」に「マック」どれもセンス良く描かれているが、今回はちょっと焦点がぼけてしまったように感じた。
●進化の果てに(羽那沖権八)
- 切れ味抜群!でしたね。何気な会話に突っ込みいれてたら、まんまと伏線に嵌ってしまいました。ごちそうさまです。
- 細かいツッコミはやめにして、この作品が一番素直に、面白く受け入れられた。「もくらもくら」という表現もウケた。
- 毎回毎回、単純に好き嫌いで選んでいます。作品の優劣ではなく。そこまで客観的にはなれません。羽那沖さんの作品が今回一番好みでした。次点として『冬将軍の到来』(日向光陰さん作)『桃』(一之江さん作)を挙げておきます。
●時計蒐集者(藤次)
- 僅差で、この作品を。とりたてて優れているものとは感じていない。でも最後がやはりうまいなあと思ったので。今回は全体的に、いい意味で推薦作品を選べず、残念だ。自分も含めて、冴えてない。
- 一番記憶に残った、自分好みの作品でした。
●冬将軍の到来(日向光陰)
- クリスマスの近いこの時期に、ぴったりのオチ。サンタクロースについて最近の子供は疑問を持つけれどこのように近代的な内容なら、楽しんできくのではないでしょうか。夢があって、オチがすごく好きです。
- 今回はとーっても悩みました。新しい参加者も増え、作品の完成度も高くなっている様な気がします。私自身の中で最終選考に残ったのは、『時計蒐集者』(藤次さん作)『冬将軍の到来』(日向光陰さん作)『回帰』(越冬こあらさん作)の3点です。何度も読みなおしをしましたが、今回はミレニアムという事で、新しい参加者の日向光陰さんの作品にします。なんか推薦の理由がいい加減で申し訳ありません。
●GIRL(小林知恵)
- 騙しの技術だけにかたよらずに明るい未来を予感させる爽やかな終わらせ方がとても良かった。まとまりも良いと思う。よって、これを推薦します。
以下、次点。
『桃』(一之江さん作)なんだか、憎まれ役なのにかわいさ溢れてるのがいい。果物の選択もなんだか雰囲気がある。
『進化の果てに』(羽那沖権八さん作)はたして、女の子たちの会話に魯山人が出てくるのはいかがなものか? という気はしたけど。この仮説を食物連鎖を含めて突き詰めていくと……。
『冬の大三角形』(浅間伸さん作)こーいう事ってありますよね。うんうん。小市民的な面白さ。
●本音と建前(MOMO)
- 『時計蒐集者』(藤次さん作)と上記推薦作品がいいな、と思いましたが、推薦作品のイージーだけど効いてる最後のセリフが決め手で、そちらを推します。欲を言えばタイトルにひとひねり欲しかった。
●お嬢さんお手をどうぞ(埜間夏太)
- 1000字小説、というジャンルは奇を衒うか、前半部分で簡素に構築された世界を、落ちでひっくり返すか、もしくは短くとも起承転結のあるストーリーにするか、という手法によるバラ付きがあると思います。この作品は2番目のタイプですね。爽やかで好きです。
●帰らずの館(極楽天)
- ミステリーかと思いきやあのオチ。ゴキブリ世界の昔話って感じなのかな。そういう感覚好きです。
●占いの館(川名さちよ)
●ある夜中に(いか)
- いろいろと良い作品はあったのですが、この作品が今回最も個性の強い小説であったと思います。結末が読み手には全く見えないものの文章と話の組み立てが上手いせいか、それが小気味よい欲求不満を与えているような気がします。文章の技術プラスαという事でしょうか。いくら文章が上手くとも何かが傑出していないと目立たないという事を少し学ばせて頂きました。ところでなぜペンネーム(ハンドルネーム)が「いか」なのでしょうか? あの結末と同じくらい謎です(笑)。

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