第19回1000字小説バトル結果
第19回1000字小説バトルチャンピオンは『聖夜の家』の一之江さんに決定しました。
一之江さん、おめでとうございます。
●聖夜の家(一之江)
- 若い頃は1日のうちに何度も大波小波が訪れて、漕いでいるという実感のないまま舟は流されていく。しかし、歳とともに波は穏かになる。舟がどこかへ向かっているという感じはまったくしない。仕方なく、ちゃぷちゃぷと自分で波を起こしたりする。それでも物足りなくて、わざと舟から落っこちてみたりもするのだが、意外と浅瀬だったりしてがっかりする。
- ここしばらくと比して控え目(笑)な所が良いかと。ほんわか笑える作品でした。ビジュアルは大層美しくないですが。
- 「聖夜の家」文章なのに絵づらのインパクト強し。「本の中のアールアール」題名といい、雰囲気作りのセンスが素敵。「贋・爺」何が原因でこんなに面白いのか判らない。何故だ(笑)候補が多数で選びきれない時というのは淡々と綴られる物語より、展開に強烈な波がある作品の方が目に付くと思います。だから「聖夜の家」に一票。
- ほのぼのとして、シニカルで、古ぼけた輝きのなかに、まとまった作風を感じます。なにか、個性派美人の作者のイメージが浮かびます。この方の作品は、先が見えようが、見えまいが作風でたいていの事は乗り越えられる自信を感じます。過去の作品も、きれいでした。
●追憶にかえて(純田詩露)
- もっとも印象に残りました。正統派びっくり系小説、といった感じがしました。
- 結末の意外性が良かったです。
- 大事な物ってなんだろう。そう思いながら読み進めていったら。可愛らしいお話ではなかったという。でも、こういうオチ好きです。
●本の中のアールアール(川島ケイ)
- 千文字の範囲の中でしっかりと物語になっていた思います。文章も読み易いし、すっと頭の中に入ってきました
- 本当にこんな童話があるのかと思っています。ホントはないんですよね? 小さな少女が素直に大きく成長する様子が本当によく伝わってきて、いい話だなと素直に思いました。
- 全作品を読みましたが、どれもぱっとしなくて諦めかけていたところにこの作品がありました。お父さんへの優しい想い、アールアールの真似をして大人ぶってみる「私」。アールアールの歳を越えてしまうことへの恐さとお父さんが離れてしまいそうな気がするという微妙な気持ち……。文章全体に、作者さんの優しい気持ちが見えた、温かいお話だったと思います。イチ押しです!!
●贋・爺(鮭二)
- 「高齢化社会」といえば、なんとなくイメージとしては暗いものを想像しがちだと思うのですが、そんなことはない、「高齢化社会」楽しいじゃないか、という気になります。元気な爺さん婆さんがたくさんいる世の中、健全じゃないか、けっこうけっこう、という感じ。生きてゆくのに希望が持てました。長生きしたいものです。
- 一番印象に残りました。面白かったです。
●最期(織原桐哉)
- 織原桐哉さんの『最期』を推します。男の死に遭遇した人たちは、巻き込まれた不運を呪い、男をなじる。家族たちは、男の死を損得だけで量り、男をなじる。確かに迷惑な男です。周囲のことを考えないバカです。その分は差し引かれて当然としても、それでも同情を禁じえません。これは生きていた人間への態度ではない。彼はとうに死んでいた。飛び込みは、その確認に過ぎないのです。技術的には良くない所もあるとは思いますが、寂しく怖い話でした。
●ドア・ストッパー(紙本櫻士)
- おもしろい、というわけではないのですが、なぜか、この作品が妙に心に残ったので。いつか最期の時が来て、「自分にしちゃそこそこの人生だったな」と思えれば、笑って死ねるかな、と。
●死体発見!(羽那沖権八)
●知らないあいだに、さようなら(小沢 純)
- 私も似たような経験が、あります。事実と小説って・・ にてるのでしょうか?続きを、読んでみたい気もしますし、このあと、スキップするのも悪くないともおもいます。
●ありふれた冬の日(ミズムラ)
- 誰もが一度は抱くような想いを、さりげなく、温かく表現していてとてもよい。
●錯覚(RIBOS)
●橙(ウエダカホリ)
- なんとも言えない優しさと楽しさと可愛らしさと、それから少しの寂しさが好きです。
●前略。兄さん、事件です。(太郎丸)
- わざとらしい語り口が、心地よいです。ひょっとすると、いい作品かも、と思えました。
今回もたくさんの感想票ありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします。

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