第21回1000字小説バトル結果
第21回1000字バトルチャンピオンは、
Entry24『メロンパンの誘惑』一之江さん作に決定しました。
一之江さん、おめでとうございます。
票を得た方もそうでなかった方も、次回でまた頑張ってくださいね。
感想票をお寄せいただいた読者の皆様ありがとうございました。
なお、参加作者の皆さんに感想票をお願いしてまいりましたが、
まだまだ状況がかんばしくありません。
そこで今後、参加作者の投票義務化に向けて投稿規定の検討をいたします。
その場合、該当作なし可、感想欄空欄可、となります。
また、投票履行作者には特典等も検討の予定です。
実施開始時期と詳細については改めてお知らせいたします。
●メロンパンの誘惑(一之江)
- うーん、矮小(褒め言葉)。
風邪の身体がメロンパンを欲するかどーかはともかくとして、凄く分かる気がします。面白い。
むくむく抱き枕ってのも、多分ブームが終わったら使い勝手の悪いクッションぐらいにしかならん代物なんだろうなぁ。
そういえば、大学時代の先輩がヤキソバン寝袋を当ててたっけ。ボスジャンとかはどーでもいいけど、あれは今でもちょっと欲しいな。
- 一之江さんの『メロンパンの誘惑』を推します。描かれている事実だけ取り出すと、何の変哲も無い日常のささやかな事件、というよりは全く何でもない日常なのですが、それに主人公がどう意味付けていくか、そこに物語があるわけですね。
- これ以外ありえないでしょう。どうみても。
- 彼女の作品は何度か呼んでいます。
今回の26作のなかではやはり、雰囲気を出すのが最も秀でていたように思います。1000字というショートプログラムのなかで、その世界に読み手を引入れる魅力がありました。
●虐待(RIBOS)
- あっ…うまい。といった感じです。タイトルはもうちょいひねったほうがよかったかなと思います。
- 深く考えれば考えるほど、哀れな女の子です。子どもも嫌い、自分も嫌い。精神の歪んだ母親が想像されます。そんな母親いる分けないじゃん、って笑えるならよい世界なのですが。
●お菓子と手帳と(のぼりん)
- 駄々ニズムあふれる作品「くだらない面白さ」と書いたら品が落ちますが、一つのネタをいかに途中でばらさないよう伏線をはった文章、されど肩がこらない文章は心の余裕がある人にしか解らない面白さなのかもしれません。
いろいろ、ややこしく書いておりますが、ただ単純に面白いと思いました。
- 一歩間違うとおやじギャグになりそうなところを、お茶目な会話でセーブして、素直に笑えた。
ほほえましいカップルじゃないですか。
●インフルベンザ(有馬次郎)
- 今回、この作品を推薦します。
文章構成がきっちり出来ており小説を読ませるコツを知っています。テンポの良さも今回のは特にいいと思いました。
以前からこの作者の作品を気にしておりましたが、発想のしかた一つにしても独特なものを感じます。それがこの作品にも出ており、読む人を飽きさせない様に最後まで丁寧に仕上げられているところがいいと思います。
- 印象に残ったのが、「インフルベンザ」と「お菓子と手帳」でした。どちらもおもしろかったです。発想が。ただ、「お菓子と手帳と」はプラトニックな関係と言ってそりゃないだろうと思ってしまい、クエスチョンマーク。別の間柄の方が良かったかも。
●壁(杉田晋一)
- この作品を読んで、以前見たキューブという映画を思い出した。全体的に不思議な雰囲気のある小説でおもしろいが、タイトルと内容にあまり関連性がないのでもう少し考えてほしい。
●鳥になりたい(羽那沖権八)
- すんごい、のびのびした文章が印象的。純粋に、ああ、読んでよかったなぁ、と思えたのは、この作品と、あとは「生まれたての陽の光と夜を越えてやってきた風」ぐらい。ただこちらはやや不可解なところが残ったので、「鳥になりたい」を推薦します。楽しかったぁ。
●千字くん(時空門奴)
- こういう言い草は失礼でもあるかと思うし、もし間違えていたらわが不明を恥じねばならないが、正直に言って、この作品には一票しか入らないとおもう。すると私の感想は全くの死票になるわけであるが、選挙ではないのだから惜しむ必要はあるまい。
ふつうは、器に何をどう盛り合わせるか、を考えるのだが、この作品は器そのものをいじって居て、私もたいていの場合は「邪道」としてしりぞける行き方である。しかし、この作品の場合は、いろいろ考えさせられて、面白かった、というのは、今回、他の作品がそれだけ弱かったということかも知れない。とにかく、読者とは気まぐれなものだ、ということであろう。
●正月すぎの餅(海坂他人)
- あ−、俺も餅食って死ねるくらいになりて−。
砂漠で水なくて死にそうになった事があったけど、ああいうのマジやだなー。辛くて。畳の上で静かに死にてー。
(あっ、いや、餅は苦しいか?)
作品面白かったです。
●紅い唇(さとう啓介)
- いつも、楽しみに読ませてもらっています。今回の26作品中で、字数不記が1作品、900字以下が7作品あります。(内、完全に字数不足が3作品。何を考えて書いているのかわからない)
出来上がった結果がたまたま字数不足ですよと開き直られても、これも笑えない。100文字の重みがわかっていない。常連の人達は1000字で終えるよう、完成するよう、読み手の読後の余韻のことまで考えている。多少の出来、不出来はあるにしてもいつも名をこのサイトに連ねている連中の作品がそれを証明している。僕個人では前述の3作品はまず読まない。愚痴はここまでにして感想いきます。とても上手いと思っていた常連さん二名はそろそろ飽きてきました。その一人は過去の優秀作品をとってる方ですが、昔のキラキラ透き通る作風が前々回あたりから失速してきていて淋しい。
もう一人は、もういいですよ、もうお腹一杯ですからとでも言いたくなるくらい、おなじ作風パターンで押してくる。うまい料理も、吐いてまで食べたくない。その中にあって今回、伊勢湊さん、のぼりんさん、さとう啓介さんこの3名です。前回も2名は同じ人を推薦しています。のぼりんさん、いいですねぇ。シンプルに笑える。伊勢さん、今回もいいです。(パン屋の二階の夢を壊して申し訳ない。)さとうさん、あなた、こちらの路線でいくべきですよ。この3名、いつも違うパターンを書こう、新しいのを書こうとしている。過去の作品を読み比べるとわかります。それでも1名だけとなるとう〜ん、『紅い唇』ですね。ハリネズミになれない臆病な僕ですがこの3名、応援していきたい。
●贋・・・爺(鮭二)
- 正直いうと、やや消去法的な選び方です。全体的に、突出して訴えてくる作品というのがどうも見当たりませんでした。少し時間が経つと、色褪せてしまうものが大半だという印象がありました。なので、少し推薦するのは躊躇われるところもあるのですが、世界の持つ力、文章の強さという点ではやはり他のものよりすぐれていると判断しました。つまらない推薦文でもうしわけありませんが、そんなところです。
●ひこうき雲(リツコ)
- No.6 刀さん『恋愛小説』
読者が圧倒的優位に立てる作品。つまりツッコミ入れ放題の心地よさ。
No.18 るるるぶ☆どっぐちゃんさん『歓喜』
もちろんペンネームも作品。つのだ☆ひろ以来の快挙。
No.21 川辻晶美さん『Not yet.』
栄光の日々にもしっかり貯金だぜ、べいべー。パーティーの虚構性を突く快作。
No.23 リツコさん『ひこうき雲』
疲れた胃に七草粥。23番目の妙味。押しつけがましさのないリアリティ。
No.24 一之江さん『メロンパンの誘惑』
メロンパンナちゃんの化身が堕天使を辱める秀逸なファンタジー。
No.26 ウーティスさん
「すべての腔から歓喜の吐息を漏らし」に愚息も興奮。1000字で6章立ては豪気。
●該当作なし
- 世代が交代した、とでも言えばいいのだろうか。そんな言葉は堅物のようで使う気にならないのだが、それでも小説を書いた経験のある者はほどんどいなくなり、逆に新規参入者が増えてきたという気がする。
それは、本来だったら望ましいことなのだろう。「ちょっと小説って書くのオモシロそうだったので、出してみました」という人でもぜんぜん小説を書いてかまわないと思うし、それで多少なりとも面白いものを創り出せる人が増えてくれれば、なお喜ばしいことだ。プロ志望者かどうかなんて、僕は言わないし、一回書いてみて、「ああ、書くのってやっぱり大変だなあ」で終わってみても、それはそれで良いと思うのだ。
ただ、書くんだったら、それを人に読ませようと思うんだったら、もう少し勉強することがあるのではないか、と言いたいのである。
第21回1000字作品を一通り読んでみて思うのはこういうことだ。
・あなたは小説作法というものがこの世に存在していることを知っているだろうか
・知っているとすればそれをWEBサイトなり書店で買える既刊の本などで調べてみようとは思わないのだろうか
・自分がその作品で何を言いたかったのか、または、「このシーン、この文章、この句読点にはこういう意味があるのです。ここはこういう理由で改行してみました。ここはどうしても必要なセリフなのです」と、人に訊かれたとき、はっきり説明できるか
・毎日何らかの文章を書いているか
・耳で聞いただけでも他人が明快に理解できる文章です、と言えるのか
・感想を見るとき他の作品の感想もいっしょに読んでみたことはあるか。あるとしたら、評価の良い作品は自分のものとどこが違うのだろう、と考えてみたことはあるか
・一度書いたら、もうそれで充分だと思っていないか。一週間置いたあとで、もう一度読み返してみたことはあるか。自分の書いてみたものを三十回ぐらい読み返したことはあるか。声に出して読んでみたことはあるか
・書き上げたものを何もかも捨てて、もう一度最初から書き直してみたことはあるか
・本は読んでいるのか。特に小説を何冊読んだことがあるのか
・小説とは泣き言であると勘違いしていないか。見た目に美しい場面を書けば、それが小説であると思ってはいないか
・現実が暗いのなら、ここが問題だ、こうあるべきだ、と自分の頭でその先を考えてみようとはしないのか
・一作でだめなら十作、二十作書いてみようと想像はしないのか
・自分が面白いものはもちろん人にも面白い、と思い込んではいないか
これらの項目が読んだ人のためになれば、僕はとても嬉しく思うし、こんなものなくても、おれはあたしは、もっとオモシロイものが書けると思うのなら、是非とも周囲に遠慮することなく、それを実現させてほしいのである。

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