第22回1000字小説バトル結果
第22回1000字バトルチャンピオンは、
Entry22 BEANさん作『ため息』に決定しました。
BEANさん、おめでとうございます。
票を得た方もそうでなかった方も、次回でまた頑張ってくださいね。
感想票をお寄せいただいた読者の皆様ありがとうございました。
●ため息(BEAN)
- 今回はぐっとくるものが少なかったのですが、この作品だけは奇妙に気になりました。それも作品の魅力ということで、推薦させていただきます。
- 今回自分なりに優秀作と思えるものを5作品選んで見ました。それは次の通りです。Entry 9 彼岸花、Entry 12 裏庭に忘れて、Entry 13 誕生日、Entry 14 聴こえないレクイエム 、Entry 22 ため息。どれも捨て難く、甲乙つけ難く迷いましたが今回、BEANさんの「ため息」を推挙いたします。
- ファンタジーなノリと、小洒落た肩すかしが軽妙で気に入りました。
濃すぎず薄すぎず、いい塩加減です。
- BEANさんの『ため息』を推します。他人のため息なんて、何の役に立つはずもありません。そんなクズみたいなものに買い手があって、売り手がある。ため息の才能なんてのもあるらしい。ええ、あるんですね。そういったものは。世の中には。役には立たないかもしれないけれど、およそ口に合わないかも知れないけれど、小さなため息を。
●聴こえないレクイエム(川辻 晶美)
- 今回はなかなか、おもしろい作品が多かったが、一方では、どれも、今ひとつ突き抜けたものが感じられなかった。こういうこともある。新人賞の選評なら、「該当作なし」となるところか、とも思ったが、やはり、ここはその時々でいちばんよいものを選ばねばなるまい、と思うのである。
絞り込んで、他に『彼岸花』『裏庭に忘れて』『顔』『儀式』の諸作が、最後に残ったが、川辻氏の作品は、正攻法の勝利、という感じである。確かに感傷的で甘い筆致だが、対象にまじめに向かっていて、好感がもてる。誤植などもなく、文章も練れていると思った。
- 人間だけが尊いのではないという思いは、大切だと思います。自分たちは特別だという思いは、他者を搾取と殺戮の対象にしますから。
- 今回、川辻昌美さんの「聴こえないレクイエム」を推薦します。
内容的にも良かったし、1000字をベースとして捕えた場合起承転結はかなり難しい事と思いますが、これは内容を損なう事なく、うまく最後まで書き上げられていると思いました。
「裏庭に忘れて」もいいと思いましたが、最後の方で多少難しい文章表現になってしまった様で、私にはストレートに伝わらなかった感じがした。でも良い作品と思います。
●儀式(サトコフ)
- 今回は全体的に低調だと感じました。どうにも雰囲気だけの作品が多いのが気になりますね。
サトコフさんは半年に一度くらい投稿をおみかけしますが、どれも質が高く、妙なおかしみのある作風を楽しませていただいています。この儀式も友人の顔にいきなり菩薩観音……いや、もうたまりません。
- 今回は割とピンポイントで好きな作品が多く、嬉しい限りです。ただ。「最近のQブックはレベルが落ちている」とちょっと前に掲示板等で読んだ気がします。「は。そんなワケないよお」とか思ってたのですが過去バトルの作品などと比べてみますと確かに落ちています。明らかです。自分のような素人目に見てもはっきりです。前回よりはマシだったと思いますが、今回の株価上昇も一時的なもので、抜本的改革には至っていない、というのが専門家の意見です。くらいの、本当に、マシだった、ってくらいです。
つまりここに挙げた作品以外は正直つまらない物が多く、ていうかこんなの見せるなよ、と言いたくなるような物も多かった、というのが全体通しての感想でした。
じゃあどうすんだよ、とか、てめえはどうなんだ、などの意見ももちろん有るでしょう。それはこう、なんていうんですかね。さあっ、みんなで考えよう!って逸見さんも言ってたしさ。クイズショーバイショーバイで。
結局頑張ってください、としか言い様が有りませんが。でもこれは割と個人的感想では無くみなさんが薄々思っていることじゃあ無いでしょうかねえ、というのは言い過ぎかな。
有馬次郎さん
何作かこの方の作品は読みましたがあまり好きになれず、ああ自分とは遠い世界の人なのね。さようなら。もう二度と会うことも無いでしょうがお元気で。てな事を思っていたのですが今回の作品はとても気に入りました。ああ、地球の裏側って遠いようでこんなに近かったんだあ、ってな具合です。偉そうな、説教臭い前フリはまったく好きになれず、またかよ、とか思っていましたがオチと絶妙にマッチしていてまさにマッチングの妙です。イチゴ大福もかくや、です。ていうかオチが大好きです。とても好きです。さっそく来週から試したくなるくらいに。
太郎丸さん
こんなにおいしいネタが有るのに!なぜ!なぜ!なぜここで終わらせるんだ!的な、いわば逆少年ジャンプ的なヒキがかえって新鮮で良かったんじゃあないでしょうか。でも今度はちゃんとこう、ね?素材の味だけじゃあ無くほら、すき焼きとかあ。ステーキとかあ。って感じに期待感も膨らみます。
サトコフさん
一推しです。とりあえず一推し、では無く割と圧倒的に。 この方の作品は何作か読みましたがけっこう好きで、また読みたいなあ、なんて思っていたのですが今回もおもしろかったです。もうちょっとずどん、と何か仕掛けが有っても良かったのじゃあ無いだろうかねキミ、なんて口髭を撫でるムッシュ・ボナールの真似をしてみたくなるくらいに。
●たいようのむすこ(meg)
- なんだかほんわりさせてくれる作品です。
太陽さんの毎日のがんばりや、
それを見つめ続けているている陽太君の
太陽さんへの感謝の気持ちなどが
胸一杯に広がるようです。
つい忘れがちな自然への感謝の気持ち。
大切にしたいですね。
- 唯一のほのぼのとした作品と思いました。
かわいらしくて、よかったです。
テレビの某番組で、アニメにしてもらっても
いいかもしれませんね。
●それゆけデッドビッキーズ(もんでん琴戸)
- メッセージ性がはっきりしていて、読んでいて前向きになれる所が言いと思いました。自分もスポーツが好きで、なおかつあまりセンスがないので、余計主人公に共感してしまいます。
●彼岸花(さとう啓介)
- 今回は、そろそろ新旧交代の時期なのかと思わせる参加メンバーの変わり様でした。その所為なのかどうかわかりませんが、出来れば1000字バトルは1000字丁度で投稿をして欲しいものです。という事で、申告文字数は1000字でも違っている場合も含め、丁度1000字は、25作品中6作品だけでした。勝手ではありますが、990〜1010文字の作品のみ対象として投票させて頂きました。投票の前に読みなおして見ましたが、今回は全体的に小粒という感じがしてしまいましたが、その中から登場人物の明るさが気に入ってしまった「彼岸花」に投票します。
●風邪(ななは)
- 本来なら、過少文字数の作品には投票したくはないところだけれど、これが一番心に残った。
10年前に、お医者様に恋をしていたなら、私もきっと同じ事をしていたでしょう。
ちょっと感傷に浸ってしまった。
●むくむくへの憧憬(一之江)
- 奥さんの夫を思う気持ちと、静かな寂しさが、じわりと伝わってきました。
やはりうまいです。
●裏庭に忘れて(川島ケイ)
- なんか観念的すぎて難しい作品が多かった中できちんと風景が見えた気がした。(いや、別に観念的な話が嫌いって訳じゃないんだけど)1000字でも風景が見えなければ読むの疲れるし、見えれば読みやすい。ちゅうわけで、これ、よかったです。
●顔(やまだ小麦也)
- おもしろかったのは、以下の6作品です。
『さよなら』 叙朱さん
描き方がうまいなあ、と思いました。視覚にくる感じ。映像的手法とでもいいましょうか。
『それゆけデッドビッキーズ』 もんでん琴戸さん
こういう最後の切り返し方は、好き嫌いがわかれそうですが、個人的には好きです。かなり。
『裏庭に忘れて』 川島ケイ
始まりから終わりまで、軸がしっかりしていて、おもしろく読めました。ともすると、人の死は扱いが難しいテーマ(書き手と読み手の距離という点で)だと思うのですが、これは良かったです。
『聴こえないレクイエム』 川辻晶美さん
せつなさが伝わってきました。が、動物(特にペット)を擬人化して心情などが書かれますと、個人的にどうもなあ、と思うのですが。
『顔』 やまだ小麦也さん
雰囲気がよく出ていて、おばちゃんの顔も、パッと浮かんできそうな感じがしました。言葉のリズム、テンポが良いなあ。
『地球の歩き方』 るるるぶ☆どっぐちゃんさん
話は陳腐だと思いましたが、文章は良かったです。勢いは出てました。
『裏庭に忘れて』と『顔』で迷いましたが、もう1度読み直して、『顔』に決めました。
●ツグミと椋鳥とひよ鳥(海坂他人)
- わかりやすいストーリーやテーマさえあれば、それが小説として完成度が高いかというと決してそんなことはないということが、今回のバトルにはあらわれているように思います。稚拙な作り物めいたお話や、単に思いや考えをまとめただけのものは、友人同士の会話や交換日記にはふさわしいものかもしれませんが、小説として書かれるものとしてはあまり歓迎したくないというのが本音です。ありのままを書くことでも、何かを感じさせるという力が、小説にはあると信じます。

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