第30回1000字バトルの結果は、越冬こあらさんの『愛と正義』がチャンピオン作品と決まりました。
越冬こあらさんは4度目のチャンピオンとなります。おめでとうございます!
皆さま、ご投票いただきましてありがとうございました。
※投票いただいた方へ:「投票したはずの一票が入ってない!」「私の感想文がない!」このような事がございましたら、直ちにご連絡いただけますようお願い申し上げます。
※☆が実際の得票の数を表しています。★は「次点」「他に面白かったもの」といった感想の合計です。バトル集計には含まれません。
| # | 題名 | 作者 | 点数 |
|---|---|---|---|
| 23 | 愛と正義 | 越冬こあら | ☆☆☆★★ |
| 6 | 無味無臭無感覚 | 坂口与四郎 | ☆☆ |
| 19 | バスのことで | アナトー・シキソ | ☆☆ |
| 10 | ぐうたら主婦万歳! | 池田@ママ | ☆★ |
| 12 | エレクトロポップ世代の幼年期 | イシカワレゴゑ | ☆★ |
| 15 | 怪盗 紅のタコ | のぼりん | ☆ |
| 21 | むじなアンダーグラウンド | 蛮人S | ☆ |
| 22 | 浮かぶ | 川島ケイ | ☆★★★ |
| 25 | MOON | さとう啓介 | ☆★ |
| 26 | 水族館 | 一之江 | ☆★★★ |
| 27 | 子守唄 | るるるぶ☆どっぐちゃん | ☆★★ |
| - | 推薦作なし | ☆ | |
| 16 | きりんの寓話 | 林徳鎬 | ★ |
| 24 | さよならの定期券 | 伊勢 湊 | ★ |
「愛と正義」と「水族館」とで、すごく迷いました。
実は、完成度としては「水族館」の方が上かしらん、と思ったり。
一之江さんの行間を読ませる文章力は、本当にすばらしいです。
「愛と正義」は、もっと破天荒な終わり方をしたほうが
(他の憑き物?が出てくるとか)わたしの好みなのですが、
そこをあえて、小市民的な結末にしてしまうところが
越冬こあらさんの持ち味なのかもしれません。
で、結局、読者としてどっちの話により没入できたか、という観点で、
「愛と正義」のほうを取らせていただきました。
他に気になった作品は「ぐうたら主婦万歳!」。
家の中が荒むと何でも妻のせいにする人達に怒り爆発!
という内容には、ひっじょーーーーに共感いたしました。
が、肝心の作品は、物語というよりは
新聞の投書欄を読んでいるようでした(ごめんなさい)。
元気があって好感が持てたのですが。
もっとひねりを効かせたら、物語っぽくなって
楽しんで読めたのではないかと思います。
(って、どんなひねりを効かせればいいのかまでは
わたしには言及できないのですが<じゃあ書くなって)
こういうネタのはテレビCMとかでありがちだけど、
1000文字の「パワーバンド」というか「射程距離」
を完全につかんでいてよかった。
無理もないし、不足もない。
他には、「浮かぶ」「さよならの定期券」
「MOON」「水族館」。どれも、通り過ぎる風景をほんの少しの間、
止めて見せてくれる感じがしていい。
自然に切なげ。
「私は愛と正義に出会った」という一文にいきなりやられました。
小説であればこその楽しさですね。
短い間に一つのドラマがあって、楽しめました。
ありがちな内容と言うような来もしますが、今回の作品群の中では一番の完成度だと思います。
他の作品は作者の日常臭がして嫌だったが、この作品はそんなこともなく心にピン
とくるものがあった。
それも一匹だけ。
なぜだろう。妙に心惹かれてしまいました。
以上です。
カエルがバスの運転手と言うのはどうでもいいと思う気がしたが、読んでいるうちにその愛くるしさが伝わって、自然と”頑張れよ”と思ってしまった。
あと、「愛と正義」も良かったが世代の微妙なズレがあり、いまいち分かりきれなかった。「川島ケイさん」には期待感が大きすぎたのか、少し物足りなかった。
どの小説もレベルが高くて驚きました。ここに投稿する前、どこかの感想文でインパクトがある「死」をテーマにする人が多いというのを聞いて、迎えた今回、やはり「死」を連想させるものが多いように感じました。1000字という限られた中で各作者の個性を垣間見ることができ、良かったと思います。然し,テーマが自由だというのにテーマがここまで偏ってしまうのが残念でなりません。
総ての作品に目を通してみて、気になったのは「ぐうたら主婦万歳!」です。日常の出来事が面白く表現されていて、普通は悩みの種となる嫁姑問題や夫婦のいざこざなどがいかにも楽しい日常の一こまであるかのように思いました。作者の明るい性格が反映されているように感じられました。
なんだか夢で見た話をあとで反復しようと試みたときに感じる、なんとも言えない感覚があった。この感覚はもしかしたら1000字にまとめたからこうなったのかな、と思わないでもないけど、無理に縮めたカンジもしないので自然に読めた。
感想票というヤツは、投票者のコンディションに左右されるもの。
落ち込んでいるわけでもないが、気分的にパッとしない時は、こういう単純な話が良い。
今回、いわゆる常連さんと言われている方(一之江さんや越冬こあらさん)の作品はどれも安定して面白かったのですが、その中でもこの方のは抜群に面白かった。地力を感じさせる作者様です。
次点はイシカワレゴゑさん。町田芸と言えば町田芸なのですがそれでも笑わされたのは事実。センス良くまとめる実力派だなあ、と思いました。
彼女がせがむから、ロープを買ってきたという始まりに少々そういった方面の期待を寄せて読み始めました。しかし、そういった方面ではなく、奇妙なのに切なくて悲しいストーリーでした。最高です。
みんな上手いなぁ、というのが正直なところです。
とてもまとまっている気がします。
そういうわけでほとんど好みなのですが
るるるぶ☆どっぐちゃんさんの『子守唄』と
さとう啓介さんの『MOON』で(好みといいながら
作風は全然違うね、この二作品)今回は
さとう啓介さんの『MOON』に一票!決め手は1000字が
1000字以上のボリュームに思えた読後感です。
何やら危うそうな過去を何も語らないまま、どうも未来も危うげな母親。今しか存在を感じられない母親への漠とした不安感が、淡々と描かれている。
一般に、たった1000字ばかりで一から十まで書かれると浅い印象になりがちだ。もちろん軽く読めるのも1000字の魅力であるが、その背景を読者が紡ぎ出すパズル的作業もまた楽しみ方である。この人はそういう濃い読み方を、読者に強要することなく与えてくれる希少な作者の一人である。
他に印象に残っている作品
『浮かぶ』 川島ケイさん
「風船」を飛ばす「子供」にも似たイメージ。風船はまた買ってもらえるけど、彼女は戻らない。介護を受けることを苦に??旅立つ彼女に対して、「僕」のリアクションが「子供」そのものなのが少しひっかかる。
『きりんの寓話』
「日々の営みの繰り返し」から「進化論」への連想が面白かった。けど、これではぐらかされる女もいるまい。多分ね(笑)。
『子守唄』 るるるぶ☆どっぐちゃんさん
率直に言えば生きたがる人間もそろそろ描いてほしいのだが、前向きな死への動力を感じさせる後段への鮮やかな切り替えが良かった。まあ生きるも死ぬも目的はそう変わらない部分もあるかもしれない。
今回の作品は上手さだけで押していて、今ひとつ痛切な印象がなかった。本当なら推薦しないのだが、28回バトルの時にアップされた作品を推薦しなかった事を個人的に後悔しているので、その時との合わせ技という事で本作品を推す事にした。大きな文学賞でも過去の実績で賞を取るケースがあるので、アリだと思う。
虎にも投稿して欲しいと俺が願う実力作家であると思う。
1000字の枠にとらわれない広がりのある作品を読みたく思います。欲張りかも知れませんが、小振りの作品には飽きました。