第34回1000字バトルの結果は、紺詠志さんの『土手ころがり』がチャンピオン作品と決まりました。
紺詠志さんは本作品で3度目のチャンピオンとなります。
おめでとうございます!!
皆さま、ご投票いただきありがとうございました。
| # | 題名 | 作者 | 点数 |
|---|---|---|---|
| 33 | 土手ころがり ★ | 紺詠志 | 5 |
| 32 | 勝利者 | 羽那沖権八 | 3 |
| 7 | 駱駝 | ミドリ | 2 |
| 10 | ミチヅカさん | 津島修一 | 2 |
| 39 | 父の穴 | 越冬こあら | 2 |
| 11 | 雨。再会。再び別れ | 村玉 | 1 |
| 13 | 書き割りホテルのことで | アナトー・シキソ | 1 |
| 15 | 花のまぎれに | Ame | 1 |
| 16 | フランスパン風パン | ユキコモモ | 1 |
| 19 | 満月の夜、世界は終わる | てこ | 1 |
| 23 | まさか、現実、まさか? | マーマレード=ジャム | 1 |
| 30 | 月とラブレター | 川島ケイ | 1 |
| 37 | かつお節ごはんの待つ暖かい食卓へ | 伊勢 湊 | 1 |
| 38 | 春の虫 | るるるぶ☆どっぐちゃん | 1 |
| 40 | マイ銀河帝国の興亡 | 蛮人S | 1 |
| 41 | 鉛筆 | 芋澤扇風機 | 1 |
果たして成人に達した健常者の中で、転がった事のない者がどれほどいるだろうか。布団の中での寝返りから、サドゥーの苦行の一つ「歩かないで旅行」に至るまで、人はころがりを求めて止まない。
少年は例え夢を果たし、いかに満ち足りたとしても、ころがるだろう。
――って何を言っているのやら。
ユーモラスという表現がよく似合うお話でした。はい。
今回もいいのや、面白いのが多かったなあ。
でも、次点ってポイントに出なくなったみたいだから省略。
今回は、土手をころがってみます。
「ミチヅカさん」とこれと、どちらに投票しようか迷ったけれど、この作品「土手ころがり」にしました。決め手は“そう言って私は、身を土手に投げ出し、思うぞんぶん、この平凡な天地をころがすのであった。”の一文です。
全部読んだ中で、一番『小説らしい小説』だな、と思いました。
規定の文字数の中でちゃんと人物像が描けていたし、主人公に
共感できました。
くだらなさの徹底的な追及はむしろ高貴でさえあります。
ラストのセリフもパーフェクト。
とても、面白かったです。
淡々とした描写が鬼気迫る。1000字でこれほど深いことが書けるものかと感心した。
羽那沖権八さんの『勝利者』を推します。生きる目的とは、幸福とは何なのでしょうか。働いて、戦って、余り過ぎるほどに集めつづけた財産の山(ちょっと腐ってる)の中で、満足しつづけるアリさん。まあずいぶん満足そうなので、それはそれでも良いのかもしれません。私はあまり真似したくありません。
『生きる事はいつしか、見知らぬ誰かと争い合う事にすりかえられていく』とハマショーは歌っておりましたが、きっと彼もアリさんの食料の山の中腹あたりに埋もれていることでしょう。『不味いな』とか言われるためにね。でもそんなにはひからびてない方なんだろうなあ、彼も。
次点は川島ケイさん『月とラブレター』、これは相当良いです。『だけども問題は今日の雨 傘がない』と井上陽水は歌っておりましたが、彼女(由美子)にはそれはどうでもいい事でしょう。『斥月ハット』の広告とかパッケージまでつい考え始めてしまったくらい良いのですが、結局『勝利者』の得体の知れない情熱におされて2番にしちゃいました。
現在、5月31日午後10時。
1000字バトルでどれに投票すべきかまだ決まらない。
今回の参加作品でいいと思えたものを列挙すると、
13 書き割りホテルのことで アナトー・シキソ
16 フランスパン風パン ユキコモモ
32 勝利者 羽那沖権八
の3作であった(敬称略)。
意外に絞り込まれているので自分でも驚きだ。
さて、この中から一作品選ぶわけだが、
『勝利者』に一票投じようと思う。
この作者氏は毎回1000字バトルに作品を発表しているが、
どうも小ぢんまりまとまりすぎている印象があり、
これまで投票するには至らなかった。
が、今回の作品は一皮むけている。
面白いだけではなく、テーマを内在している。
今後もこのような寓話的物語を
書いて欲しいという期待をこめて、
今回のバトルの票をこの作品に贈ることにする。
雰囲気のある文章で好きです。私もこんなのを書きたい。
最初読んだとき後半部分がよく分からなくて、ん?という感じだったのだけれど
読み返してみたら分かったような気がした。あれはあれで成功しているのかも。
他におもしろかった作品は、
『最後の神がかり』ヒモロギさん。最後のオチが分かったような
よく分からないようなだったけれど、上手いと思いました。セリフがイイ。
『ミカコ』多田野英俊さん。めちゃくちゃ(失礼)だけどおもしろくて
最後まで一気に読んでしまった。
『a life』mokuさん。主人公に共感できるかは別として、発想は悪くないと
思いました。
『駱駝』(ミドリさん)を推すことにした。だいぶ文章が荒っぽいけれども、とくに最後の一文は、これがなかったらぜんぜん価値がないと言えるほど重要だし、なにより好きだ。述者は、それまでつとめて距離をおいて冷静に「駱駝」について述べてきたけれども、いざ間近に彼の魅力を見せつけられ、ふいに感情があらわになる。それも、かわいらしく。抜群の好作。
ほかにはまず『ミチヅカさん』(津島修一さん)で、これと推薦作とで大いに迷った。この主人公の、白痴っぽいがゆえの不幸とは、パシリとしてコキ使われてしまうことにあるんではなく、みずからの認識のなかから大好きな人「ミチヅカさん」さえ見失ってしまうことにあるという、深い哀しさがこめられていると思った。ただ、こういう人物とか幼児の一人称は、どうしてもあざとく見えてしまうので損だ。とはいえ、この作品はかなりうまく自然に描けている。まったく趣味の問題で、これを推すのをやめてしまったが、うしろ髪ひかれる思いだ。『月とラブレター』(川島ケイさん)もかなりいいかんじだ。90年たっても月は落ちてこないのかもしれない。「斥月ハット」が示すとおり、むかしのハレー彗星の騒動のような、なかば迷信的な不安にゆれているくだらない世界で、恋をするも実らない。じつにナンセンスでおもしろい。明らかな難点といえば「勘」の誤字ぐらいしかないのだが、もっとこの騒動について遊んでほしかったと欲が出た。『勝利者』(羽那沖権八さん)は、なかなかすさまじいものがある。みにくく老いぼれ、朽ちつつあっても長命に満足している「アリ」はハタから見れば悲惨だ。ただ終盤で「キリギリス」を出してパロディーにしてしまったのは、もったいないと思った。この作品には、そんなサービスはいらない気がする。『最後の神がかり』(ヒモロギさん)は、「神がかり」がインチキか精神病としか見なされない現代において、その病人たる主人公がカルト教団に居場所を得たようでいて、じつは真の理解者がちゃんといた、という重くもある物語を、オカルト的なアイテムを記号的にナンセンスにちりばめることでポップに仕上げていてうまいと思ったが、タイトルの「最後の」の意味が解しかねるので評価しきれない。いまだ考え中。
10.ミチヅカさん、に投票する。リアルな話でハッとした。
「ぼくはいつも注意してジャムパンを手にとる人を探すのだが、手は一斉に伸びてくるから、よく分からない。」この文が全てだと思う。道塚さんに彼に会ったら優しくしてくださいよ、と言いたい。
他、気になった作品は
5.適材不適所 ネタは面白いんだけどタイトルが失敗してるよな気が。
6.二宮金次郎走る 「三枚のお札」ばりの話で勢いで読ませるがせっかくなら千字まで膨らまして。
13.書き割りホテルのことで 夢の中で夢と認識してるよな感じ?「真っ白いスーツに、黄色の靴」ってガチョウか?
30.月とラブレター 90年後ってリアルだけど、やっぱり関係ないやって思うかも。地球最後まであと何分の時計みたいに。
31.ミカコ なんだかわからないけど気になった!
なんかちょっと謎めいてて、サワヤカで読んでて良い感じがしました。
上手くコメントできないんですけど、「烏龍茶 道塚」っていうところで、少しかなしくなりました。でも実際にこういうことってありそうな気がして、おもしろかった!ので投票します。
ほかに面白かった作品は、
2「友達」坂本一平さん。うけました。普通に読んでて、びっくりしました。「えっ、えー!?」みたいな。(笑)
6「二宮金次郎走る」オキャーマ君さん。タイトルにひかれました。ファンタジックで好きです。続編があったら読みたいです。ゲームボーイが何か活躍して欲しかったです。
17「それは?」泡和さん。和やかで面白かった。お父さんスゴイです!
釣った長靴を持ってきちゃうとこが・・・!!
次の作品も楽しみです。
ナゾがナゾのまま終わっている部分に強く惹かれました。
ああくそ。ちくしょう。ちくしょう。
ちくしょう。
負けました。
面白かったです。
ああくそ。ちくしょう。
言葉遣いが悪くなるほど、面白かったです候。
これを読んで、思わず自分の過去を振り返ってしまいました。
・「書き割りホテルのことで」
非リアルな書き割り世界を、とても印象的に描いている。
感想ではなく、評論に値する作品だと思う。
以下、次点としての3作品と若干の感想
・「土手ころがり」
「書き割り」とくらべて悩んだ。
ただ文体も含めて、もう一工夫できなかったかしら、という感がある。
ラストだけで考えれば、こちらを推薦したかもしれない。
読後、「この作者と友達になりたい」と思った作品。
・「ドブネズミ」
「くだらないセンチメンタル」と切り捨てるのは簡単かもしれないが、私は捨てたくなかった。この短さならばこういうのも良いのでは。
・「フランスパン風パン」
「おもしろい」という素直な感想。このふわふわ感は素敵だと思う。
あと「父の穴」も魅力的な箇所はあったが、ラストで自分から型にはまっていくような印象をうけた。「メタモルフォーゼ」「春の虫」も悪くないと思う、けれど抜きん出て良くもないと思う。むつかしい。
別に落語が嫌いというわけじゃないけど、なんか落語が多いね、最近。
といってももちろん中には素敵な小説もたくさんある。小説を読みたい
僕にとっては『小説陣』にもっともっと頑張って欲しいなぁ。
という1000字において今回は『花のまぎれに』を推します。
なんといっても綺麗だし、その状況が目に浮かびます。そして『リアル』
です。設定とか世界観なんかは本来その作家がつくり出すべきもので
別に『現実』と呼応している必要は全くない。本質はその世界の中で
登場人物がいかに嘘のない行動、思考、感情を持つか、それが『リアル』
だと思うし、この作品はその意味ですごく沁みました。
と、こんな感じです。
はっきり言って、決め手に欠けると思ったので読んだときの雰囲気で数作品を選んでみた。
16.「フランスパン風パン」自転車カゴのパンが本当に嬉しそうに感じられた。
21.「バスドライバー・2」乳牛のシーンと霊柩車のシーンがたまらなくいい。
34.「パンセ」文章の強さと安定感が感じられた。とらえ所も面白い。
38.「春の虫」雰囲気は良かった。不思議さがあるが惜しい。
39.「父の穴」収まりようの無い終り方が不思議な余韻を残した。
と、5作品の中から選ぶとすればフランスパン風パンかなと思います。
まず、そのタイトルに興味を持った。
内容を読んでいくうちに、奇妙な世界観に取り込まれた気がした。
文字の一つ一つに、日常と非日常の境界を感じた。
死んでいこうとするおじいさんの世界が、変にリアルだった。
私はそこに、満月の夜の存在を感じた。
非常にせつないですよね。インターネットでは、小説が宇宙に化けてUFOで各国へ飛びだっていっているのでしょうか。今もどこかの星の方が、今度は幸せを書こうと圧迫してきました。誰かも幸せを描きたかったからでしょう。。
せっかく良い文章が多いのに、今回は愉快に「まさか、現実、まさか?」にします!最後は亡くなられていたのか、気を失ったのか、五月病の強がりなのか、今の救世主にピッタリじゃないですか。感想です。えらそうに勇気ありますよね。ウラ、、、
みなさま、ためになりました。
後、多すぎて、読み忘れの鑑賞になってしまっていることをおしまいに謝らせていただきます、、、すみません。かしこ。
前半部分がなにとも心地よい雰囲気を醸し出していたので推薦します。
なんか良い感じでした。ワラビー、好きです。
主人公が「家に帰ろう」と、多分それまで否定して来た何かを肯定出来た瞬間がひどく好きでした。それでこの作品に投票致します。いえそれだけじゃないのですが、決定打はそこでした、という事で。
もー大好き。
こういうの好き。
「鉛筆」
おもしろいね。王道。
次点 「雨やどり」
雨の中の色っぽい話なんで、もう少し余韻に浸らせて欲しいような。
最近、話作りがうまい人が多くて楽しいのだが、うまいだけの作品も多いので一番面白いものが選びにくい。もっと技術や、個性をみせてほしい。