第38回1000字バトルの結果は、Ameさんの『アシンメトリーチャイルド』がチャンピオン作品と決まりました。
Ameさん、おめでとうございます。
皆さま、ご投票いただきありがとうございました。が、投票数が参加作者数に満たないのは、貴重な時間を割いて投票してくれる純粋読者に対し、なんと横柄なことでしょうか。とにかく作品が掲載されてしまえばいいといった姿勢は、バトルそのものをつまらなくしてしまいます。ここがバトルというゲームであることを承知した方のみ、参加を希望いたします。
と言いつつ、少ない投票のなかの「1票」がいかに重いか、痛感しきりです。
※なお投票いただいたにもかかわらず、こちらに感想が掲載されていない場合は、至急ご連絡ください。
| 作品番号 | 題名 | 作者 | 得票数 | |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 計算可能 | 蛮人S | 2 | |
| 2 | 前略 齋藤先生 | ユキコモモ | ||
| 3 | 治療法・万歳! | 羽那沖権八 | ||
| 4 | 『ソースのある食卓』 | 橘内 潤 | ||
| 5 | シェルブールの雨傘 | るるるぶ☆どっぐちゃん | 1 | |
| 6 | メール巷間 | 太郎丸 | 3 | |
| 7 | 強がり | さとう啓介 | ||
| 8 | 少女 | RIVER FIELD | ||
| 9 | 夜明けのキリン | 青野 岬 | ||
| 10 | 神様の憂鬱 | 黒男 | 1 | |
| 11 | 明日へ | Makoz | ||
| 12 | ホットドッグスタンド | 林徳鎬 | 1 | |
| 13 | バスドライバー・5 | 有馬次郎 | 4 | |
| 14 | 私の友達 | 悠花 | ||
| 15 | ラヴアンドピース はっ 醜男が | 青山達哉 | ||
| 16 | 熱帯夜 | 卯木はる | ||
| 17 | シロのこと | キリハラ キリオ | 1 | |
| 18 | 僕はノープロブレムだ | ラディッシュ・おおもり | ||
| 19 | 秘密 | さかな☆ | ||
| 20 | 樹と、葉 | てこ | ||
| 21 | 帰宅 | なぎやまたけし | ||
| 22 | もすこみゅーる | SAKURA | ||
| 23 | 勘違い | 3月兎 | ||
| 24 | アシンメトリーチャイルド | Ame | 5 | ★ |
| 25 | 僕とミカのことで | アナトー・シキソ | 2 |
アシンメトリーチャイルド/Ameさん作
てっきり、現実で起こるのは、僕と弟が崖から落ちそうになって、彼女は迷わず弟の手を取る――だと思っていたので、後半部分にはグッと掴まれました。
最後まで読んで、初めて活きてくるタイトルも上手いと思います。
他の作品では、「計算可能」「ホットドッグスタンド」「僕とミカのことで」が印象に残りました。
アシンメトリーチャイルド/Ameさん作
「秘密」とどっちかだと悩みましたが、意外性(新味)からこちらに1票いれます。夢と現実の対比が印象的でした。
アシンメトリーチャイルド/Ameさん作
これが一番。読み終えたあとにロジカルな部分をあんまり整理しないでおくと、余韻が気持ちよくって好きです。短編にするのも無理がないし、参考になります。
アシンメトリーチャイルド/Ameさん作
私はこの方を、勝手に「Q書房のカフカ」と読んでいます。
アシンメトリーチャイルド/Ameさん作
この作品、今回、3作品ほど詩的な感覚の小説があった中で、一番小説に近い詩の作風を感じました。1000字の不思議が詰まっています。
あと、次点は「夜明けのキリン」(青野岬さん)。良いですね。初期の伊勢作品と重なる香りがあります。青野ワールドの風景描写も捨てがたい。
「僕はノープロブレムだ」(ラディッシュ・オオモリさん)最近、際立つ個性でガンガン書かれている印象をうける。好きなアマ女性作家の一人です。あの行間も彼女なら許せるかな。
バスドライバー・5/有馬次郎さん作
もー、理由なんていらない。とにかく、好きなんです。
バスドライバー・5/有馬次郎さん作
笑えました!
過去ログまで追っかけてシリーズを読み返しました。辛気臭い今のご時世、この作品は愉快で楽しい時間を僅かですがボクに与えてくれたようです。6も書いてくれるのかなぁ…
バスドライバー・5/有馬次郎さん作
作品数の割りに面白い作品が多かったと思う。良かったと思う作品は次のものです。
「夜明けのキリン」仕事と家庭の狭間にある女性の姿が上手く表現できていて、情景をキリンに見立てたセンスが光ってました。
「明日へ」少年時代の手紙を受け取った時の自分がそれを見て励まされる。よくあるストーリーだと思うが、やはりいい。好きです。
「バスドライバー・5」震えるほど笑わせて頂きました。言葉のリズムが笑のツボにはまってしまい大声で笑わせて頂きました。読後のスッキリ感が良かったです。
「シロのこと」なんだか分からない不思議な世界でした。何かが伝わってくると云う作品ではないけれど、良かったと思った。
「勘違い」下らない駄洒落的会話が上手くまとまっていて締めもシュールで良いと思った。巨人の星の「思い込んだ〜ら→重いコンダーラ」を懐かしく思い出させてくれました。
他にも良いものはあったのですが、特に「バスドライバー・5」がやはり良かった。何度もチャンピオンを獲っているシリーズで少し悔しいけれど、大笑いした僕の負けです。キリンさんには同情します。
バスドライバー・5/有馬次郎さん作
なんか悔しいです。だってこのバスドライバー・シリーズに投票するのって、確かもうこれで3度目…。QBOOKSで投票に値するのって結局このシリーズしかないんだろうか、っていやきっとそんなはずはないんですけど。もっともっと読み応えのある作品が増えるといいなあと。自分に対する叱咤も含めて。
メール巷間/太郎丸さん作
現代の時代性を感じる作品。素直に笑えた。最後のくくりが下系なのがちょっとガッカリ。携帯メールならではの落ちにしてほしかったです。
メール巷間/太郎丸さん作
太郎丸さんの『メール巷間』を推します。「ヤクザの抗争」「ケータイのメール」「カマを掘る(……)」の3つが、がっぷりと組み合ってしまった時、超強力なアホ話が生まれてしまってどーもすぃーませんてな感じで、この読後の脱力ぶりは実に久々のものだったのもんで。
メール巷間/太郎丸さん作
単純に、馬鹿な下っ端の馬鹿な行動を想像して笑うもよし、待ち合わせ一つ携帯電話無しで出来なくなっている昨今の人々の暗喩であると気付いて苦笑するもよし。いい感じに出来上がっている。
裏に気付かなくても普通に笑えるのが、何と言っても良い。一粒で二度おいしい。
計算可能/蛮人Sさん作
無機的に語られる、どうしようもなく有機的な感情。
意味のない問題と計算過程が増幅する、切なさ。
誰かへの想いを文で表現するのにこんな方法があったのか、と目からウロコが取れまくりでした。
完全にやられました。まいりました。
公算もとい降参です。
計算可能/蛮人Sさん作
お話の成り立ち方が好きです。次点は『勘違い』。
僕とミカのことで/アナトー・シキソさん作
今回の作品はなんだか魅力のある作品が少なかったような気がする。確かに面白い作品もあるのだが、なんだかピンと来なかった。その中で、この作品は【】を使って別の話にしてしまうという離れ業を行なった。1000字小説での面白い挑戦の意欲に1票をいれたい。よく読むとおかしな箇所もあるけれどそれに余りある小説の展開を思わせてくれた。
僕とミカのことで/アナトー・シキソさん作
良かった作品。
17.シロのこと…悲しいです。キリハラさんの作品がだんだん良くなっていきます。
24.アシンメトリーチャイルド…どうにも出来ない絶望感が痛いです。
25.僕とミカのことで…僕とミカがどこかで幸せに暮らしていることを信じます。
ということで、今回は「僕とミカのことで」に投票します。
シェルブールの雨傘/るるるぶ☆どっぐちゃんさん作
以前からるるるぶ☆どっぐちゃんと林徳鎬の作品に注目してきた。今バトル、全作品を読む暇が無かったので大変に恐縮であるが、この二人の作品だけ読んで感想票を送ることにしたい。
まず林の作品は知識が前面に出過ぎているために作品として「なっていない」。その他に言いようが無い。林はQ書房のなかでも一つの場所を占めることができる作者である。それだけの力量を持っていることは過去の作品から判断して疑い無い。林の作品に誰がどんな感想を書こうと、私が今後も林の作品に注目していくことはほとんど確実である。
るるるぶは鮮やかなイメージの広がりをのびのびと、そして不気味な影を帯びながら表現してきた作者である。時折こちらが「おや?」と思うほど停滞しながらも、確実に作品世界を広げてきたといえる。この点に関しては他を寄せ付けない。今作でもそのイメージの広がりは読者を楽しませてくれる。今後も注目したい。
神様の憂鬱/黒男さん作
この方の作品は私小説風のものと歴史物のふたつがあるようですが、あまり違いは無い気がします。
この方の歴史物には、単に情報が連ねられているだけではなく、登場人物への深い移入が感じられます。それはこの作者にとって、横光利一を書くことと、自身について書くことがそれほどかけ離れていないからではないでしょうか。
QBOOKSの中でも、かなり力を持った作家の一人だと思います。
シロのこと/キリハラキリオさん作
きっちり1000字になってなかったんで、他のにしようと思ったんだけど、そうすると、こんどはなかなか決められない情況に。ということで、キリハラキリオの「シロのこと」で。
他によかったなあ(おもしろかったなあ)と思ったのは
「前略 齋藤先生」ユキコモモ、「メール巷間」太郎丸、「夜明けのキリン」青野 岬、「明日へ」 Makoz、「僕はノープロブレムだ」ラディッシュ・おおもり、「秘密 」さかな☆、「樹と、葉」てこ、「アシンメトリーチャイルド」Ame
でもなんだか、急に、投稿数が減ったなあ。感想書く分にはやりやすいけど。
ホットドッグスタンド/林徳鎬さん作
これは「悪意」の話ではない様に私は思います。
むしろ「躓き」、それも非常に宗教的な意味での「躓き」に近しいのではないでしょうか。人が神から離れるその最初の切っ掛け。私はむしろこれは、罪の静かな発生の話だと思い、これは「悪意」とは似て非なるものです。少なくとも罪と悪意とは別の次元で語られるべきです。
何だか断定口調で失礼して居りますが。
「ふたつの出来事は相関していないが、狭い世界に生きる彼には、他に原因を求めるところがなかったのか、それとも別の考えがあったのかもしれないが、粒々マスタードに鼻くそを投じることに懸命になった。」
私はこの「狭い世界に生きる彼」に、この作品から非常なリアリティーを感じたのです。ですが微かな違和感は拭えず、それはこれが、男が「悪意」を有する事になった過程ではなく、或る日さしたる理由もなく躓き道に戻れなくなった男の辿る、「罪」の一部始終、といったものの気がしてならなかったからです。
勝手な解釈で重ねて実に申し訳ないのですが。散々考えてしまったので、最早この作品に一票です。